second-basemanの道

絵画などについて。

堀文子展2018@ナカジマアート

100歳を迎えた画家、堀文子さん。知り合いに教えてもらって初めて知り、箱根と逗子で観て、今回で3回目だった。11/28(水)まで。

描くために海外や奥深い山にも入り込み、病に倒れても、そこから新たな世界を見出して描き続ける強さ。愛してやまないという花々は細部まで丁寧に描かれ、今そこにあるかのように感じられる臨場感がある。自分の目で見て触れて感じたことを描く。

画文集『堀 文子 現在いま since1995』第三集にある次の言葉は、一歩を踏み出す勇気をくれる。

 

自分を規制しない。

自由な魂からこそ

新しい今日が始まる。

www.nakajima-art.com

 

マリー・ローランサン美術館

入ってから出ていくまで自分以外の来場者がいなかったが、彼女の心が絵からひしひしと伝わってくる良い美術館だった。今から100年近く前の時代、女性が一人で生きていくのは今以上に大変だったと思う。しかし、どのように生きるのが幸せなのかは男女を問わず人それぞれだ。人や世間に何と言われようが、「自分の大切なものが何か」を理解し、それとともに歩んでいくことが、充実した人生を送ることにつながるのだと思う。

marielaurencin.jp

惑星のためのよい仕事

企業の社会的責任を突き詰めるパタゴニア

CEOのローズ・マーカリオ氏は、トランプ政権の石炭復活、気候変動対策の緩和等の方針に対して苦悶・失望しつつも、このような流れの時だからこそ、今までパタゴニアが訴えてきたことをより一層強く発信することが大事だと全社員を鼓舞した。

「惑星のために良い仕事をすることが、新たな市場を作り、より高い売り上げにつながる」。

マーカリオ氏のように、逆境においても惑星レベルで考え、行動していきたい。

www.patagonia.jp

広重 名所江戸百景@太田記念美術館

 鎌倉に行こうと思ったが、寝坊したので原宿の太田記念美術館へ。日本人・旅行者の老若男女でそこそこ混みあっていた。日本画を習い始めてから浮世絵にも少し興味を持って行ってみたのだが、とっても良かった。

浮世絵には、絵師、彫師、摺師、版元など多くの人が関わって作られ、墨摺絵から紅摺絵、錦絵と技術をどんどん発展させていったこと。日本人ながら、良く知らなかった。

新聞や写真などにおされ、衰退してしまったことは時代の流れとはいえ残念なことだが、今もこうやって世界中の人を魅了するなんて、当時の人々は思わなかったかもしれない。広重の能力もさることながら、PCで何でもできる今だからこそ、一枚一枚手作業で作られた浮世絵に込められた技術者の熱い想いが、人の心に残るのではないかと思う。

 

http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/wp-content/uploads/2018/02/edohyakuomote.jpg

「絵は何処までも心で描かねばならぬ」@東京国立近代美術館

数年前に足立美術館で感銘を受けた横山大観の展覧会へ。小ぶりながら印象に残った絵は、菱田春草などとのコラボ「名家寄書き」(二階堂美術館蔵)、「月夜」。仲間との共同作品からは、お互いへの尊敬の念や作品への愛情が感じられる気がした。30代、40代、人生チャレンジしながら、仲間と歩みながら、自分の道を作り出していくのだ。

taikan2018.exhn.jp

同時期開催の「MOMATコレクション」にも行き、菱田春草氏、東山魁夷氏の絵も鑑賞。足が棒になった。

 

「酒器の美に酔う」@静嘉堂文庫美術館

静嘉堂文庫美術館へ。テーマは「酒器の美に酔う」。

印象に残ったのは、「人物蒔絵三つ組盃」と「曜変天目」。

「人物蒔絵三つ組盃」は、三つ重ねの平盃に、故事を蒔絵で表している。「桃園の誓い」と「虎渓三笑」をみると、大昔から、友や同志との語り合いにはお酒が彩を与える良いスパイスになるのだな、と思う。良い友と良いお酒は、本当に最高。

曜変天目」は、日本で3つしかないうちの1つだとか。不勉強でたまたま今日知ったが、本当に宇宙のようだった。深い深い藍色の輝きは、いつまでもみていたいと感じさせる。

www.seikado.or.jp